寒昴


冬の晴れた日は、何とも心地が良い。
冷たい空気の中、陽に当たると太陽の恵みを実感する。
冬至が過ぎ、太陽の力が日に日に戻り始める。
この日を境に、春に向けて万物がよみがえるという古代人の考え方は、
自然と向き合う感性のヒントを教えてくれる。

夜は冬の星座が美しい。天上には「昴(すばる)」が輝く。
「枕草子」の一節には『星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。』とある。
星はすばる、ひこぼし、宵の明星が良いという。
ふと見上げるとき、昴の脇に輝いた一筋の流れ星に心が踊る。
いつも自然を愉しむ時間を持っていたい。

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毎年恒例の行事「しめ縄づくり」は、今年で6年目。
今週末から4日間のworkshopに出張します。

小さい頃、近所では「山の神の子」と呼ばれていた。
家の裏に「山の神」が祀ってあるから、家の屋号が「山の神」だった。
しめ縄は、お正月の神様「年神様」を家に招き入れるためのお飾り。
「年神」は「山の神」と同じ神様とされる。
「山の神の子」がしめ縄づくりをしていることにも、そんなご縁がある。
毎日まずは「山の神」に手を合わせてから、しめ縄をつくり始める。

今年の稲の干した藁から、穂の部分の太い芯だけを一本ずつ摘み取り、
ひとつのしめ縄に使う本数ずつに分ける。
神道の簡素で凛とした空気感が籠るように、綺麗な藁を選んでいく。
藁は前々日に水に浸けて水分を含ませ陰干してから作り始める。

飾り付けに使う裏白(うらじろ)は、鳥の声がこだまする森の斜面に生える。
金柑(きんかん)は町内の木から。伊勢流の紙垂(しで)は半紙でつくる。
「笑門」の木札は、檜の木の板を切り、砥の粉を2回塗り重ね下地をつくる、
墨で「笑門」を書いたら、ひも止めを刻む。古代から祓い清めに使われた
「本麻」を裂いて撚った麻ひもで木札を付ける。

神様の依り代を植物でつくる。良いお正月を迎えるための準備。
昔ながらの慣習に自然を愉しみ、気持ち良い心で新年を迎えたい。

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by KiKusa-note | 2014-12-23 23:32 | KiKusa


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