「癒し」と「恐怖」


e0158628_140897.jpg


最近は、山にひとり入ると恐い感覚になります。
大きな木がうねりを上げて伸びる姿、静まり返る静寂と、
風に動く木々の音、遠くから聞こえる獣の鳴き声、深い池に跳ねる生き物の音。
そんな自然対自分という途方も無い図式に圧倒されてしまう。
本来、人も動物で自然の中に生きる生き物であることを思い出すのです。

普段の人間社会の中では、忘れている感覚、使っていない感覚、
自然と対峙するときの緊張感や、本能が刺激される野性を失っている気がします。
自然は、その姿が綺麗で接する人の心が安ませる「癒し」と、
人智が到底及ばない力を持つ「恐怖」を持ち合わせるもの。
そんな自然の陰陽の姿を、小さな植物の中に宿したような作品を作りたいのです。

---

今週末から奈良、大阪、三重と4日間のworkshopに出張します。

昔から家の裏には「山の神」が祀ってあるから、家の屋号が「山の神」という。
しめ縄は、お正月の神様「年神様」を家に招き入れるためのお飾り。
「年神」は「山の神」と同じ神様とされる。
小さい頃におばあさんに教えてもらってしめ縄づくりをしていることにも、
そんなご縁がある。毎日「山の神」に手を合わせ、しめ縄をつくり始める。

稲を干した藁から、穂の太い芯だけを一本ずつ摘み取る。
お米の一粒一粒が命の実り、一本の藁に宿る神様に感謝してしめ縄を飾る。
自然と向き合い、日本人が積み重ねてきたことは、私たちの遺伝子にも刻まれている。

昔ながらの慣習を愉しみ、気持ち良い心で新年を迎えたい。

------------------------

KiKusa
L'Art de la Botanique

tel / fax 0598-67-0524
mail kikusa@mctv.ne.jp
by KiKusa-note | 2015-12-23 14:06 | KiKusa


<< ほよ(宿り木) -冬の星座-作品のご紹介 >>