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いや重(し)け吉事(よごと)


KiKusaの「伊勢のしめ縄づくり」には、今年も70人以上の方にご参加いただき、
ありがとうございました。
年の終わりに、みなさんとご一緒に植物に触れ合う時間を楽しめました。
この国の先人の新年を迎える心構えをあらためて感じる機会になりました。
良き植物の文化慣習を、さらに広く長く繋げていきたいなと思います。

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今年もたくさんの方に支えていただき、植物の藝術を進めることができました。
三重の松阪を拠点に、大阪や名古屋に出張して、たくさんの初めての出会いもありました。
それでも松阪に来ていただく場所がないことは、もどかしい限りです。
その想いを来年に繋げたいと思います。
今年も、ありがとうございました。

「 新(あらた)しき年の初めの初春の今日降る雪のいや重(し)け吉事(よごと)」は、
万葉集の最後の歌で知られる。
759年の正月に因幡国庁で大伴家持(おおとものやかもち)が詠んだ歌。
新年に雪が降るのは豊作の良い兆し。良いことが重なってゆくようにとの想いを詠った。
この頃、政変によって都を追われた家持は失意の中にいたはず。
どのような想いで吉事(よごと)を願ったのか。
家持が編纂に関わったとされる万葉集の最後にこの歌を選んだことも、
大和歌の伝統がとこしえにつづくことへの願いが伝わってくる。

次の一年も、吉事が重なりますように。

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KiKusaでは、年間の売り上げの1%を、困難な環境を生きる世界の子供たちを支援する
特定非営利活動法人「ワールド・ビジョン・ジャパン」へ寄付の対象にしています。
展覧会や全国からのご注文などのご購入や、
植物づくりの会へのご参加のすべてが対象となります。
皆様には、KiKusaでご購入いただくことで、この活動に参加いただけることになります。

2014年の売上分も「児童保護募金」に寄付させていただきました。

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by KiKusa-note | 2014-12-31 23:58 | KiKusa

寒昴


冬の晴れた日は、何とも心地が良い。
冷たい空気の中、陽に当たると太陽の恵みを実感する。
冬至が過ぎ、太陽の力が日に日に戻り始める。
この日を境に、春に向けて万物がよみがえるという古代人の考え方は、
自然と向き合う感性のヒントを教えてくれる。

夜は冬の星座が美しい。天上には「昴(すばる)」が輝く。
「枕草子」の一節には『星はすばる。ひこぼし。ゆふづつ。』とある。
星はすばる、ひこぼし、宵の明星が良いという。
ふと見上げるとき、昴の脇に輝いた一筋の流れ星に心が踊る。
いつも自然を愉しむ時間を持っていたい。

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毎年恒例の行事「しめ縄づくり」は、今年で6年目。
今週末から4日間のworkshopに出張します。

小さい頃、近所では「山の神の子」と呼ばれていた。
家の裏に「山の神」が祀ってあるから、家の屋号が「山の神」だった。
しめ縄は、お正月の神様「年神様」を家に招き入れるためのお飾り。
「年神」は「山の神」と同じ神様とされる。
「山の神の子」がしめ縄づくりをしていることにも、そんなご縁がある。
毎日まずは「山の神」に手を合わせてから、しめ縄をつくり始める。

今年の稲の干した藁から、穂の部分の太い芯だけを一本ずつ摘み取り、
ひとつのしめ縄に使う本数ずつに分ける。
神道の簡素で凛とした空気感が籠るように、綺麗な藁を選んでいく。
藁は前々日に水に浸けて水分を含ませ陰干してから作り始める。

飾り付けに使う裏白(うらじろ)は、鳥の声がこだまする森の斜面に生える。
金柑(きんかん)は町内の木から。伊勢流の紙垂(しで)は半紙でつくる。
「笑門」の木札は、檜の木の板を切り、砥の粉を2回塗り重ね下地をつくる、
墨で「笑門」を書いたら、ひも止めを刻む。古代から祓い清めに使われた
「本麻」を裂いて撚った麻ひもで木札を付ける。

神様の依り代を植物でつくる。良いお正月を迎えるための準備。
昔ながらの慣習に自然を愉しみ、気持ち良い心で新年を迎えたい。

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by KiKusa-note | 2014-12-23 23:32 | KiKusa

時を刻むオブジェ


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写真 : 「 檜(ひのき)と山の実のリース 」
永遠を表す常緑樹の檜で作るクリスマスを祝うリース。


大阪のSHELFさんと、松阪・RESTAURANT CULTIVATEさん、名古屋・haseさんでの
「 植物の信仰 - 檜(ひのき)のリース - 」の展示と植物づくりの会には、
たくさんの方にお足を運んでくださり、ありがとうございました。
植物づくりの会「 檜(ひのき)と山の実のリースづくり 」にも60人近くの方々に
ご参加いただき、植物と向き合う時間を、楽しんでいただけたと思います。
また来年も、この季節の野山の植物でリースづくりをしたいです。

刻々と移り変わってゆく植物の姿に気付くとき、
「時間」という存在を、数字ではなく感覚で感じることができる気がします。
自然に乾きゆく植物は、時を刻むオブジェでもあります。
檜のリースは、来年にもその答えを出してくれるでしょう。
変貌する様もまた味わい深いものです。


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写真 : 「 野の草リース -干し草- 」
野山の草で作る素朴で温もりのあるリース。


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by KiKusa-note | 2014-12-15 17:43 | KiKusa